キャブレタートラブル その②

前回の記事
「キャブレタートラブル その①」

の続きです。



キャブレタートラブル 次の患者様は、

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カワサキ ゼファー750

元々は電装系の修理のご相談を頂いていたところ、お客様ご自身で色々試してみても改善しないということで入庫しました。

8月に、お客様のお宅へ購入頂いた新車のモンキー125♪

を、お届けさせて頂いた際に、ガレージでその症状を診せて頂きました。
確かに電装トラブルっぽい症状・・・


最近はこのゼファーにあまり乗っていないらしく、キャブレターの保護とバッテリーの電圧維持のために、たまに自宅でエンジンだけは掛けているそうです。
そうしていると最近症状が出だしたので、お客様ご自身でイグナイターなどを交換してみたり、点火系のプラグなど基本的なものを点検してみたり・・・

症状としては、一定の回転(例えば4000rpm)を空ぶかしでキープしようとしても、一瞬キルスイッチを押したように回転が落ちて、すぐに復帰するといったことを繰り返すのです。
点火間引きが起きてるような感じです・・・


むむむ・・・?
こりゃ、ちょっとお店に持ち帰ってしっかり診てみないと。

電装系のカスタマイズも多いバイクでしたので、確実に直すために持ち帰ってきました


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早速お店で症状の再現を試みるも、

・・・あれ?
症状出ないよ?

よく有る、あれですか?
バイク屋さんに修理で入ると症状出ないってやつ・・・


試しに試乗してみても、全く症状は出ませんでした。

お店に帰って、何度も試しても症状出ず・・・



いや、お客様のお宅で、私は症状を確かに確認しています。

なぜ、出ないんだ?
その時の光景を、よ~く思い出せ・・・

その時との違い・・・




あっ!

サイドスタンドが出てた



お客様のお宅でも、当店でも、症状が出た時と同様に、バイクをメンテナンススタンドで支えて水平状態にしていました。

ただ、当店ではサイドスタンドを格納した状態でテスト。
お客様宅では、その時の光景を思い出すと、サイドスタンドを出したままだったような・・・気が!


早速、サイドスタンドを出した状態で試すと、すぐに症状を再現できました


原因はコレかな?

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ニュートラルランプ!


このランプが、症状が出ている瞬間チラチラ減光します。
サイドスタンドを格納しているときは、ランプがチラチラしても症状は出ない。



犯人特定


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エンジン側のスプロケットカバーを取り外し、


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その中、ドライブスプロケットの下辺りにある、
「ニュートラルスイッチ」
を点検します。

しかし、チェーングリスとチェーンが連れてくる汚れで、どれがスイッチか分からないですね(笑)


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洗浄してみました。
細い配線一本が繋がっている部品が、ニュートラルスイッチです。

その下の黒い配線はサイドスタンドのスイッチで、サイドスタンドが出ているか格納されているのかを検知する役目を持っています。


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ニュートラルスイッチの故障に、エンジンミッションケースの中でシフトドラムとニュートラルスイッチの接点不良がありますが、今回の場合は車体から出ている配線とニュートラルスイッチの接続部分の接触不良でした。

接続部分をコチョコチョすると、それに連動してランプもチラチラ



さて、なぜエンジン不調の症状が出るのでしょう。

今のバイクのほとんどに、サイドスタンドが出ている状態では走行できない安全装置が付いています。
ギヤがニュートラル以外では、サイドスタンドが出ているときは点火系への電源を切断しエンジンを停止させます。

エンジンの振動で瞬間的にニュートラルスイッチへの配線の差し込み部分に接触不良が起こり、ギヤが入っていると判断されてこの機能が作動してしまう状態でした。

なので、走行中は症状が出ないんですね


緩くなっていたスイッチへの接続部分を修正して、症状は全く出なくなりました



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取り外したスプロケットカバーの裏側。
こちらもチェーンオイルやらで、コテコテ・・・


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中身をキレイにしたなら、蓋もね!




お客様に報告の際、念のため実際に走っているときに症状が出たことがあるかお伺いしたところ、

そういえば・・・無いな!(笑) と、

あはは・・・
直ってそうね

しばらく乗るチャンスが無く、でもエンジンだけは定期的に掛けておこうとしていたが故に気が付いた故障ですね。



で、このまま直ったから、はいっ!お終い。
ってのもなんなので、

私が試乗させて頂いた際に少し気になった、低速領域から中速へのエンジンフィーリングがあまり楽しくないと感じたことをお話させて頂くと、キャブレターの点検と調整のご依頼も頂きました!♪




お客様のお話では、乗れない時期のキャブレターの保護のために、
ワコーズ フューエルワン

これ↓

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を、燃料の中に入れてるから、キャブは大丈夫でしょ?

とのことでしたが、、、



ガソリンタンクに規定量、ちょろっと入れるだけの簡単ケミカル、フューエルワンの効能は?

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■燃焼室やバルブなどに堆積したカーボンの除去と、燃料系統のワニス、ガム質などを除去!

■上記の除去効果に加え、それをキープする!

■ガソリンの酸化劣化を防止し、ガム質、ワニスの発生を抑制!

■燃料タンク内などの錆びの発生も抑制!



と、確かに乗れない期間の、キャブの保護にも効果がありそう



さて、その効果のほどを、キャブを分解して確認してみましょう。

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外観はけっこう汚れてます。

この機会にリフレッシュさせましょう


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フロートチャンバを外してみると・・・

ありゃっ

底面に劣化ガソリンの残留物が。



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ジェット類も変色していました。


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取り外して診てみると、ジェット類の穴を詰まらせてしまう程のものでは無かったですが、明らかにガソリン流量はおかしくなってしまう汚れ具合。

これが低速から中速での、エンジン回転のバラツキの原因ですね。


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しっかりクリーニングして組上げます♪


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スロー系の調整と同調を合わせて、完成




しかし、、、
フューエルワンを使っていたのに、何故こんなに汚れてるの?

確かにフューエルワンのクリーンアップ効果はかなり優秀です。
車両メーカーであるホンダが自社ケミカルでは無いこの製品を、私達ホンダサービススタッフに使用を進めるくらいですからね

おそらく、洗浄能力が高いが故のトラブルでは無いかな?

フューエルワンの使い方は、ガソリンタンクの中のガソリンに少量混ぜることで、タンクから燃料コック(ポンプ)、ホース類を経て、キャブレターやインジェクター、そして燃焼室へと送り込まれて、ガソリンとともに燃えて無くなります。

燃えて無くなるってところが要点で、エンジンをかける機会が少ない場合、出発点のガソリンタンクから上記の経路の汚れを取り込んだフューエルワンが入ったガソリンが、最終地点のキャブレターにいつまでも居ることに。

さすがに、フューエルワンのキープクリーン効果も歯が立たないのでは・・・?




でも、さすがの洗浄能力ですね。
これを利用すると、いつまでも燃料経路をクリーンに維持できそう。

その①の、当店中古車のキャブレタートラブルでも書いていますが、キャブレターの中に古いガソリンをいつまでも置いておくと、ガソリンの劣化によりガム質が発生してしまいます。


ベストの対策は、フューエルワンを使って燃料経路を常にクリーンに保ち、乗る機会が減るときにキャブレター内のガソリンを排出するとベスト。
ほぼ、ガム質によるトラブルは起きないと思います。

キャブのガソリン排出の方法は機種によって違いがありますので、ご相談下さい。
そんなに難しいものじゃないですよ




でも・・・
バイクに乗れなくなる時って、こういうことに気が回らない忙しいときだったりするんですよね~


ご自身で処置する時間は無ーい!

・・・っていう、お忙しいお客様には、ご連絡下さればサポートさせて頂きますよー




一般的に乗る機会が減ってしまう冬の前に、処置だけしておきましょう
春に大きな出費になったり、調子の悪いバイクに乗るハメになっちゃうよ~








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