ステアリングステムのベアリング修理

こんにちは

久しぶりのメンテナンス記事を。



ステアリングステムベアリング
って、分かりますか?


バイクショップの修理記事ブログ、読者さんがバイクのメカニズムを知ってる前提で書き進めちゃうケースが多いような気がします。(当ブログもそうかな・・・

なので、なるべく分かりやすく解説しながら書いていこうと思ってます。

たまにある、分かる人向けマニアック記事の場合は、細かい解説ご容赦ください~(笑)





「ステアリング」なので、ハンドルのベアリングってことなんですが、


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分解した画像。
真ん中のT字型をした大きな部品が、「ステアリングステム」と言います。

ステリングステムの両脇の丸い輪っかにフロントフォークが組まれ、
中心から伸びている丸い支柱が、バイクの「メインフレーム」に突き刺さるように組みこまれてハンドルを左右に切ることが出来ます。

メインフレームとステリングステム間に、スムーズにハンドルを左右に動かす為に組みこまれるベアリングを、「ステアリングステムベアリング」と呼んでいます。


展開図にすると

ステリング周り展開図a

このような感じになります。


このステアリングベアリングが痛んでくると、ハンドルを左右に切る動作がスムーズで無くなってきます。
そして最終的には、ハンドル周りが・・・というよりは、フロントホイールを含めた前周り全体がガタガタと勝手に動いてしまう危ない乗りものに変化します。( ̄□ ̄;)

良くある初期の症状として、ハンドルを直進状態にしているところから少しハンドルを切ろうとするあたりで、ハンドルを切る動作に抵抗がある、重くなる感じで出てきます。

もっとハンドルを切っていくと普通に感じるので分かりにくいのですが、フロント周りを浮かせてチェックしたり、フロントタイヤをツルツルの床面に載せてハンドルを切ると分かりやすいです。


ここの消耗で怖いのは、普段乗っているオーナー様が気が付いていないことが多いこと

じわじわと消耗して、症状もじわじわと進行していくので、普段乗っているうちにライダーが慣れてしまうんですね・・・

なのでベアリングの消耗が出てきてますよ~
と、お伝えしても、なかなか修理しようと思われないケースもチラホラ・・・

まあ、消耗がもっと進んでガタガタしだしたら修理となるんですけどね。

ハンドルがバイクの傾きにシンクロして自然に切られていく、バイクの機能にとって重要な、いわゆる「セルフステアリング」が効かなくなっている状態なので、気が付かないうちにライダーがハンドルをこじって切っている可能性があります。

オーナー様のライディングに変な癖が付いてしまわないか心配なので、出来たら早いめの修理がお勧めですよ。






では、ステリングステムベアリングの修理案件を2件ご紹介。




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まずは、トリコロールなグロムさん。

整備リフトに載せて、フロントをジャッキで浮かせています。

んんっ?
なんか、変ですね・・・


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ほらほら!
なんか変でしょ?  (・Д・)ノ

お分かりになりますか~?





正解は!

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こう

サイドスタンドを支点に、車体が傾いた状態でフロント周りをフリーで浮かせています。
正常ならこのように、ハンドルはホイールやその他の重みで左側に勝手に切れるはず。

ブログ記事の為に、あえてサイドスタンドで浮かせてみました~


このグロムは消耗がかなり進んでいる状態でしたので、もうハンドルが直進状態で半固定になるぐらい抵抗が出ていました。
なのに・・・オーナー様はあまり自覚が無かったという・・・

そういうものなんです。
慣れって怖い

修理した後の、オーナー様の
「こ~んなに違うものだったんですね~!」

と目から鱗のご感想が、ここの修理の重要度を物語っていましたよ。





さてさて、患部を分解していきましょう。

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ハンドルバー、メーター、ライト、トップブリッジなどを取り外していきます。



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はい。
フロント周り、ハンドルによって動かされるパーツ達を取り外しました。



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これは、フレームのステアリングステムが組み込まれる部分のアップです。


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ステリングベアリングです。
塗布されているグリスも劣化して、少し錆びも発生していました。


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ベアリングのレースのアップ画像。
ベアリングのボール(丸い部品)が当っていた部分が摩耗して、等間隔で穴ぼこのように減っているのが分かりますね。


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内側のレースも同様に、ベアリングのボールが当る部分が減って、等間隔の穴ぼこになっています。
ベアリングのボールが、この穴ぼこに引っ掛かり、ステアリング操作の妨げになっています。


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最終的にはこの等間隔の摩耗が進み、ガタつきとなって確認出来るようになります。
そうなってしまうとベアリングの締め付け調整を行っても改善しません。
交換となります。


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摩耗したベアリング・レースを抜き取り、


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新品のベアリング・レースを圧入します。


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ステアリングステム側のベアリングも、新品に交換します。
ベアリングレースはそれぞれ圧入されていますので、手では取れません。

慣れていない作業者の場合は割と時間を喰ってしまう作業なので、実はこの作業、若手スタッフの指導用としても行わせて頂きました。
この作業で要点を解説し、閉店後にスタッフ自身のバイクも同じ状態でしたので、それで実技講習。

ヨシ!
次からは、サクサクッと作業できるなっ



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新品を組み込んだら、ちょっと大げさめにグリスを塗りたくり
錆びにくいように、大盛りにしときました



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完成したら、もちろんテストランで出来栄え検査♪

楽し~♪
OK!完成です。


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ちなみにこのグロム、走行距離はご覧のような。
この症状の兆しは、3万キロを過ぎたあたりから出ていましたね。




続いては、

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スズキ Vストロームさん。

こちらのオーナー様はある程度ご自身でメンテナンスされるお客様で、お客様からステアリングベアリングの交換をご依頼頂きました。


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リフトアップしてステアリングの引っ掛かりや抵抗、ガタつきなどを点検してみましたがまったく正常・・・

あれっ・・・?
もしかして別の症状の修理をしたかったんじゃ・・・?

そういえば何故交換したいのか、確認させてもらってなかったなぁ
速攻でお電話して確認

悪くなる前の事前交換のおつもり と確認。
ということでしたので、作業続行です。



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患部まで到達するまでの取り外し部品がボディーを傷つけたりしないように、毛布やウエス、ある時はプチプチまで活用します(笑)


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フロントフォークを抜き取って、


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トップブリッジを取り外して、ベアリングさんこんにちは!



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おっと!
意外とベアリングの消耗がありますね。

症状としてはまだ出ていませんでしたが、これは絶妙なタイミング。
オーナー様、さすがです


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新品部品でリフレッシュしていきます♪

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完成!

車体関係の修理ですんで、

もちろん!
テストランさせて頂きましたよん♪♪♪





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