ステアリングベアリングの調整

こんにちは!店長の山口です。

今日は、昨日作業させて頂いた案件から。

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お客様がお乗りのバイクは、
ホンダ TACT(タクト)

低速での走行で、バイクがフラつくので診て欲しいとのこと。
実はこの車両、当店で販売させて頂いたバイクではありません。

当店の長年のお客様のお父様のバイクで、ご自宅近くの販売店で購入されて購入当初からその販売店に訴えて何度か診てもらったり、ホンダのお客様相談室にも連絡を入れているにもかかわらず、いっこうに改善しないということらしいのです。

当店のお客様である息子さんから、折入ってのお願いということで、ご来店されました。

ぜんぜん、OKですよっ

お気遣い、大変ありがたく思います。
しかしながら、当店はHonda正規代理店ですので、どこで購入されたバイクであろうと、基本的に修理やご相談をお断りすることはありません。
安心してお任せ下さい!


事前にお伺いしていた内容では、タクトへのお乗り換えを検討される際にお店の試乗車に乗ってみて購入を決めたそうなのですが、購入した車両は試乗したタクトには無い、低速でのフラフラ感があって怖いということでした。

お父様のお歳は83才
ずっとホンダのスクーターに乗っておられますが、最近ではスピードはあまり出さず、近場への足としてご活用頂いているそうです。
ほんとに低速の領域で、時速にすると5km/h~10km/hぐらいでフラフラして気になるという訴えでした。

ひとまず実車を確認します。
まずは、タイヤの空気圧などをチェック。
当然のことながら購入されたお店でもチェックしているでしょうけど、今日のこのバイクの状態を把握しておく為に確認しておきます。
キッチリ規定の空気圧でしたし、タイヤの編摩耗なども無し。

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まあ、、、この走行距離だと、タイヤは摩耗しませんね・・・
もうすぐ購入されて2年経つというのに、この不安の為にあまり乗ろうという気になられなかったのでしょう。

メーカーの保証期間が2年間ということもありますので、なんとかここで改善したい!


現車の状態の確認で私が気が付いたことは、少しハンドルの動きがいつもの他のタクトより軽いかな~?
でも、ガタつきなどは無いし、組付け状態としては正常と判断して良いレベルですが。

ピットでの確認後、お客様が訴えるシチュエーションでテスト走行をしてみました。

う~ん・・・
正常と言えば、正常・・・

何回もテストしてバイクから伝わる細かな感覚を再現してみます。
その中でお客様が気になると言われる現象なのかな?ってのがありました。

ほんとに低速になると、オートマチックのスクーターならではの構造である、自動の遠心式クラッチが切れたり繋がったりのタイミングになります。
特に微妙に減速していってエンジンブレーキが効いている状態から、遠心クラッチが切れることでエンジンブレーキが解除されるタイミングでそれらしき現象が。
エンジンブレーキが効いている時は軽く後ろブレーキを掛けているのと同じ感覚なのですが、これが運転者の意図とは関係なく開放されることで車体がフリーになると、バイクが自分でバランスを取る為にハンドルにフラフラとした動きが出るんですね。

ただし、一般的には怖いと感じるほどの現象では無く、皆さん普通に乗っておられるのですが、お客様のお歳を考えるとこれも可能性のひとつとして考えました。

で、試しに当店の試乗車でもテスト走行

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タクト 試乗車ありますよ

こちらで同様のテストをすると、微妙ですが少しフラフラ感はマシなようです。

てなことで、お客様が訴える現象がこれなのかを確認するために、

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フロントカバーを取り外して、ステアリングステムベアリングの締め付けを調整してみます。

バイクのステアリングの構造は下図のようになっています。

ステアリング廻り構成図

このステリングステムベアリングの締め付けは生産工場で一定の基準で組付けられていますので、今回の車両も基準の締め付けの範囲に入っていると思われますが、基準値の範囲のなかで締め付けがゆるい方になっているようです。

ここを、あえて基準値の中の強めで調整してみました。
こうすることでハンドルが左右に動く抵抗が増えますので、フラフラ感は減るかな?と、、、
ただ反面、バランスを取る為のハンドルの動きが遅れることになりますので、ゆっくりした大きな動きのフラつきになります。

この仕様でお客様に一度乗って頂きました。

戻ってこられてからのお客様のインプレッションは、

「低速時のフラ付き感はかなり無くなって良い感じ。」
「でも、発進時や低速時、バイクがゆっくりと傾いて大きく左右に動く感覚がある。
例えるなら、作業前は小さな周波数で、作業後は大きな周波数といった感じ。」


的確なお応え!
こちらが意図した感覚の変化を感じて頂けました。
と、言うことは、やはりステアリングベアリングの締め付け調整で不安感が消せるかもしれません。

しかも周波数で例えるなんて、なかなかですね。
聞けば、現役時代は技術者さんってことでした。
さすがや~

ということで、強めに締めたステアリングベアリングを少しずつ軽くしていく方向で何度か調整、テストで乗って頂くを繰り返し、お客様にとって安心できる調整具合にすることが出来ました

今回の修理は、修理というよりはお客様の要望に合わせた微調整といった内容となりました。
しかし、メーカーのマニュアル指定の範囲なら、全部正常って言ってしまうのもどうかなと・・・
工業製品である車両には個体差が当然あり、ライダーであるお客様も運転技術レベルや好み、癖など違いがありますよね。
当店ではこういった部分でのお客様満足の提供も目指していきたいと考えています。

さてさて、今回の作業の費用は・・・?

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Hondaのバイクを購入すると付いてくる、
メンテナンスノート

こちらをご提示頂ければ、この様な案件もメーカー保証修理として申請できますよ
大事に保管しておいて下さいね。

今回は保証期間の2年経過まであと2週間ほどでしたが、
無料修理となりました











さてさて、明日は鈴鹿サーキットでの走行会♪

この日の為に山下が注文したタイヤが午前中に入荷。

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ピレリ ディアブロスーパーコルサV2 SP

CBR1000RR SPなどに装着されている、激グリップタイヤさんですね(笑)
減るよ~

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タイヤトレッド面の端っこに
「DIABLO SUPERCORSA」
の文字が・・・

サーキット走って、キレイに残ってたらカッコ悪・・・
なんちゅう、、、プレッシャーのかかるタイヤですこと

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お昼休みにフロントタイヤの交換を
仕事を段取り良くこなせば、いくらでも自分のバイク触れるぞ
がんばれ! がんばれ!

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明日の走行会に参加される当店一の雨男さんも、雨乞いの儀式とも言えそうな洗車を・・・

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走行会前の事前点検を済ませる間に、明日は残念ながらお仕事で参加出来ないお客様も様子見でご来店されたり、夕方から夜にかけて賑やかになりました。

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閉店後、残ったリヤタイヤの交換を、様々なプレッシャーのかかる中でガンバル山下(笑)
「バランス合わね~

まあ、なんとか・・・
無事に準備完了~

明日はサーキット走行、楽しんできます♪


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